小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルについて⑮-不利益取り扱いの禁止-

今回は、「不利益取り扱いの禁止」(小規模向けマニュアルP.30)について見ていきます。

禁止されている不利益取り扱い

事業者は、ストレスチェックや面接指導を通じて把握した労働者の健康情報を基に、当該労働者に対して不利益な取り扱いを行ってはいけません。以下の2つの行為は、法律で禁止されています。

  1. 労働者が面接指導の申出をしたことを理由に、不利益な取り扱いをすること
  2. ストレスチェック結果のみを理由とした不利益な取り扱いをすること

2点目について補足すると、大規模の事業場では、医師面接の申出に際し、労働者がストレスチェック結果を事業者に開示することがあります。ここでいう不利益取り扱いとは、労働者がストレスチェック結果を開示しているものの、面接指導を受けていない時点で、ストレスチェック結果のみをもとに就業上の措置を決定するなどの不利益な取り扱いをすることです。小規模事業場では事業者がストレスチェック結果を入手することは想定されないため、この点はあまり留意する必要は無いでしょう。

合理的でないため行ってはならない不利益取り扱い

また、以下の2つの行為は一般的に合理的なものといえないため行ってはなりません。

  • 労働者がストレスチェック等を受けないこと等を理由とした不利益な取り扱い:定期健康診断と違い、ストレスチェックは労働者に受検の義務がありません。就業規則で受検を義務付け、受検しない労働者に懲戒処分を行ってはいけません。他にも、ストレスチェック結果を事業者に提供しないことや、面接指導の対象者であるが申出を行わない労働者に対して、不利益な取り扱いを行ってはなりません。
  • 面接指導結果を理由とした不利益な取り扱い:労働者からの面接指導の申出に対し、面接指導を行わなかったり、法令上の手順に従わないことや、医師の意見と内容・程度が著しく異なる対応を取ること、面接指導の結果を理由として解雇、雇い止め、退職勧奨や不当な配置転換等をしてはいけません。
社労士 山中健司

社労士 山中健司

東京都社会保険労務士会

この記事の執筆者:社労士 山中健司

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