今回は、実施義務(小規模向けマニュアルP.6)について見ていきます。ストレスチェックの制度は同じ労働安全衛生法で定められている一般定期健康診断と共通点が多いので、共通点と相違点に分けると理解が早いです。
一般定期健康診断との共通点
事業者には一般定期健康診断と同様、労働者に対し1年以内ごとに1回、ストレスチェックを実施することが義務付けられています。
この対象となる労働者は以下のいずれの条件にもあてはまる方ですが、この対象者の定義も一般定期健康診断の対象者と(ほぼ)同様です。
①期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
②その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上であること。
「ほぼ」の意味合いですが、一般定期健康診断では深夜業などに従事する特定業務従事者は除くのに対し、ストレスチェックではこうした特定業務従事者も対象に含まれる点が異なります。
また、1週間の労働時間数が通常の労働者の4分の3未満である労働者であっても、上記の①の要件を満たし、労働時間数が通常の労働者のおおむね2分の1以上である者に対しても、ストレスチェックを実施することが望まれます。
派遣労働者に対するストレスチェックは、派遣元に実施義務があります。
ストレスチェックの実施結果の労働基準監督署への報告は、労働者数50人以上の事業場に義務付けられていますが、労働者数50人未満の事業場は不要です。これも一般定期健康診断と同じ基準です。
一般定期健康診断との相違点
一方、一般定期健康診断には無いもの、異なるものについては以下のようになります。
- 一般定期健康診断と違い、労働者に受検義務は課されていません。これは大規模向けマニュアルに記載がありますが、すでにメンタルヘルス不調に陥っており回答の負担が大きい労働者にまで受検を強要する必要はない、との主旨です。したがって本制度を効果的なものにするためにも、上記のような事情が無い対象者は全員受検することが望まれます。
- 医師の面接指導は、対象者から申出があった場合、事業者に実施義務が生じます。
- ストレスチェックの場合、労働者の個人結果を集計して集団としてのストレスの程度やストレス要因を把握することができます。これを集団分析といいます。集団分析と、それを活用した職場環境改善は努力義務となっています。
社労士 山中健司
東京都社会保険労務士会
この記事の執筆者:社労士 山中健司
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