今回は「面接指導の申出」、「面接指導の実施」(小規模向けマニュアルP.20~22)について見ていきます。
事業者に申し出る場合
労働者から医師面接の申出があった場合、事業者には医師面接を実施する義務が生じます。
まず、医師面接の希望を事業者に申し出る場合の流れを見ます。

- 実施者の所属する外部機関から、労働者に対して医師面接の勧奨が行われます。
- 労働者は医師面接を希望する旨を事業者に申し出ます。
- 事業者は申出を受けて、面接指導を担当する医師に連絡を取り、面接の日程調整を行います。面接指導を担当する医師はストレスチェックを実施した外部機関のケースと、地さんぽのケースがあります。
- 労働者と医師が面接を行います。
以上が、医師面接の希望を事業者に申し出る場合です。すでに実施されている50人以上の事業場でも、おおむねこのような形で実施されています。
外部機関を経由して申し出る場合
一方、小規模向けマニュアルでは、外部機関を経由して申し出る場合の流れが示されました。外部機関を経由して申し出る場合の流れを見ます。

- 実施者の所属する外部機関から、労働者に対して医師面接の勧奨が行われます。
- 労働者は医師面接を希望する旨を事業者ではなく外部機関に申し出ます。
- 外部機関は労働者から面接の申出が行われたことを事業者に報告します。
- 事業者は報告を受けて、面接指導を担当する医師に連絡を取り、面接の日程調整を行います。
- 決められた日程で労働者と医師が面接を行います。
この場合、労働者が申出を行う先は外部機関ですが、結局、申出が行われたことが事業者に報告されますので、この点について認識の齟齬がないように労働者に伝えておく必要があります。
実際にどちらの流れで医師面接の申出に対応するのかについては、ストレスチェックを委託する外部機関に確認してください。
留意すること
なお、小規模向けマニュアルによると、面接指導の実施にあたり、事業者が労働者のストレスチェック結果を入手することは想定されていない、とされています。これは50人以上の事業場の運用と少し異なりますのでご留意ください。
また、面接指導は就業時間内に設定することが望まれる、とされています。就業時間内に医師面接のために離席することについて、管理者の理解を得ておくことも重要です。
また、小規模事業場の場合、医師面接は社外で行われることがほとんどだと思いますが、もし社内で実施する場合には、プライバシーに配慮して場所を設定しましょう。
面接指導の実施
医師面接を実施することになったら、事業者からは医師へ提供する情報を準備します。
具体的には、以下のような情報です。

- 対象者の氏名、性別、年齢、部署、役職等
- 直近1か月の労働時間/労働日数、深夜業の時間数/回数、業務内容等
- 定期健康診断やその他の健康診断の結果
- ストレスチェックの実施時期が繁忙期であったか
個人のストレスチェック結果については、事業者は入手しないという前提があります。そのため、個人のストレスチェック結果は労働者本人が面接指導の当日に持参して医師に見てもらう方法が基本となると考えられます。外部機関が面接指導も実施する場合には、外部機関が直接個人の結果を医師に送付してくれる可能性もあります。
実際にどうやって医師へ情報を渡すかについては、面接指導を実施する機関に確認してください。
なお、オンラインでの面接は、面接指導を担当する医師が事業場の産業医である場合など、条件付きで可能です。ただし、電話による実施は認められていません。
また、面接指導の費用は事業者が負担すべきものとされています。保険診療扱いはできませんので、ご留意ください。
社労士 山中健司
東京都社会保険労務士会
この記事の執筆者:社労士 山中健司
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