小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルについて⑤-医師の面接指導依頼先の選定-

今回は、医師の面接指導の依頼先の選定(小規模向けマニュアルP.15)について見ていきます。

大規模の事業場では、ストレスチェック後に労働者が申出があった場合、医師による面接指導は産業医が対応することが多いです。しかし、小規模の事業場では産業医がいないため、小規模向けマニュアルでは、従業員から面接指導の申出があっても困らないように、面接指導の依頼先をあらかじめ検討するよう求めています。


選択肢としては、ストレスチェックの委託先である外部機関に依頼するか、もしくは最寄りの地域産業保健センター(いわゆる地さんぽ)に依頼するか、の2つになります。地さんぽとは、厚生労働省所管の労働者健康安全機構が運営する支援機関で、全国に約350か所あり、登録産業医が面接指導にあたります。

外部機関に依頼する場合は、多くの場合、面接指導を実施した回数に応じて課金する従量制の料金体系にしています。そのため、医師面接の申出があるとその分費用がかさむことになります。ただし、面接実施までの待ち時間が比較的少ないです。また、面接指導に必要なストレスチェックの個人結果を外部機関が持っていることが多いので、面接時の個人結果の受け渡しがスムーズにできる可能性があります。(委託先によって異なりますので確認が必要です)

一方、地さんぽによる面接指導は、50人未満の事業所なら無料で受けることができます。
地さんぽは無料というメリットはありますが、ストレスチェック後の医師面接については、混雑して待ち時間が長くなることが予想されます。現状を見ますと、地域によって差はありますが、非常に混雑しているという話を多くのところで耳にします。厚生労働省は、登録産業医を増やす施策を実施していますが、おそらくこのままの流れでいくと、面接指導の申出に対して登録産業医がかなり不足することになるのではないかと予想されます。
なお、50人未満の事業所であっても、大企業の営業所などで、会社の産業医の支援を得られるような場合は、利用できない場合がありますのでご留意ください。

これらのメリット・デメリットを比較しながら面接指導の依頼先を決める必要があります。もし外部委託先へ依頼する、もしくは依頼する可能性がある場合は、ストレスチェックの委託先選定において、医師面接サービスに対応しているかどうかを確認する必要があります。

社労士 山中健司

社労士 山中健司

東京都社会保険労務士会

この記事の執筆者:社労士 山中健司

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