ストレスチェックの外部委託先②4つの条件

前回は外部委託先の5つのタイプとその特徴、弱点などをご紹介しました。今回は違った角度から、外部委託先を絞り込む際に重要な4つの条件について解説します。

実施者代行サービスの有無

ストレスチェックを実施するためには医師などの有資格者を実施者として選任する必要があります。産業医と契約している場合はほとんどのケースで産業医が実施者になってくれますが、50人未満の事業場は産業医の選任義務がありませんから、産業医がいないケースがほとんどだと思います。
外部委託先の中には、実施者代行サービスに対応し、企業側に実施者がいなくとも、医師面接対象者の確定などの実施者業務をやってくれる会社があります。産業医がいないなどの理由で実施者のあてが無い企業の場合は、実施者代行サービスに対応しているかが非常に重要な要件となります。

医師面接サービスの有無

医師面接が勧奨された労働者から医師面接の希望があった場合には、会社が医師を手配して医師面接を実施する義務があります。50人未満の事業場の場合、地域の産業保健センター(地さんぽ)が利用可能です。厚生労働省は50人未満の事業場での医師面接をこの地さんぽで対応する方針ですが、一つ心配な点としては、地さんぽ側の対応キャパシティです。地さんぽでどのくらい医師面接に対応できるのか、法が施行されて始まってみないとわからず、地域によっても差があると思いますが、申し込みから医師面接の実施まで相当期間待機する必要が生じる可能性があります。(なお、厚生労働省のストレスチェック実施マニュアルでは、労働者からの申出の後、医師面接を実施するまでは「遅滞なく(概ね1月以内)」に実施することとされています。)
外部委託先の中には、有償で医師面接に対応してくれる会社もあります。地さんぽでの医師面接の実施が難しい状況だった場合、医師面接を頼める外部委託先を選んでおくと、医師面接の実施がスムーズになります。実際に医師面接を申し出る労働者の割合はきわめて低いことも考慮して、外部委託先選定の条件に入れるか検討することをおすすめします。

セキュリティ対策

ストレスチェックは労働者のストレスという機微な情報を取り扱うことから、情報セキュリティ対策には万全を期する必要があります。外部委託先のセキュリティ対策がしっかりしているかも重要なポイントです。その点において、外部委託先が情報セキュリティ認証を取得しているかを確認したいところです。

代表的な認証制度としては、

  • Pマーク(プライバシーマーク)
  • ISO27001(ISMS)
  • ISO27017

があります。認証を取得するためにはコストもかかるため、全部を取得している必要はありませんが、どれか一つでも取得されている事業者の方が社内ルールなど整備されていることが多いです。

営業体制(問い合わせへの対応)

外部委託先から説明を聞きたい、資料を送ってほしいと思っても、委託先が対応してくれないと検討スピードが鈍ることになります。外部委託先の中には、営業の人員が不足していたり、新規の契約獲得に前向きでないなどの理由で、問い合わせへの対応が遅かったり、対応できていない会社もあるようです。
私は今年の5月から半年ほどかけて、ストレスチェックサービスを提供する100社ほどの会社から情報収集をしましたが、会社によって対応が大きく異なる印象を持ちました。会社によっては、50名未満の事業場へのサービス提供に積極的でない方針を取るところも見受けられます。このような会社を見極める手段としては、問い合わせへの対応スピードが第一に挙げられると思います。

社労士 山中健司

社労士 山中健司

東京都社会保険労務士会

この記事の執筆者:社労士 山中健司

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